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 稽古を積む課程、すなわち修行における順序を表す言葉で、独自の境地を拓く、道す

じとして、師の流儀を習い、励み、他流をも学ぶことを重視した教え である。

 一般的には、「」は、師についてその流儀を習い、その流儀を守って励む こと、

」は、 師の流儀を極めた後に他流をも研究すること、「」は、自己の研究を集

大成し、独自の境地を拓いて一流を編み出すこととして説明され る。

 武道における修行が人生に深く関わっている以上その修行には限りがない。すなわち

限りなき修行に没入することを最終的には求めている言葉である。  

                       [参照]武道論十五講、不味堂出版


」とは、師に教えられたことを正しく守りつつ修行し、それをしっかりと 身につけ

ることをいう。

」とは、師に教えられしっかり身につけたことを自らの特性に合うように修行し、

自らの境地を見つけることをいう。

」とは、それらの段階を通過し、何物にもとらわれない境地をいう。

 修行をする上で、心・技・気の進むべき各段階を示した教えといえる。

    [参照]全日本剣道連盟居合道学科試験出題模範解答例、月刊剣道日本編集部


  伝統を受け継ぐ者にとって忘れてはならない、特に武道にとっての教えが「守破離」で

ある。

」とは、師や各流派の教えを忠実に守り、それからはずれることのないように精進

して身につけよ、という意味である。

」とは、今まで学んで身につけた教えから一歩進めて他流の教え、技を取り入れるこ

とを心がけ、師から教えられたものにこだわらず、さらに心と技を発展させよ、という意

味である。

」とは、からさらに修行して、にとらわれずも意識せず、新しい世界を拓き、

独自のものを生みだせ、という意味である。

守破離」は単に武道の世界だけの教えではない。学問も経営も技術も、すべてにあては

まる。師に教えられて師に止まっていては発展はない。古武道に出発して古武道の中で止

まっていたのでは、後継者としての存在価値はない。師をしのぎ、伝統を越え、親を超越

して、より高い次元に発展成長してこそ文明の進歩がある。「守破離」とはその意味の言

葉である。

                                                       [参照]活人剣抜刀道、叢文社


 「守破離」の「」とは、武道を学ぶにあたって、師や各流派独自の教えや形、技など

を忠実に守り、それからはずれることのないよう精進して、その教えを堅く守って身につ

けることである。

 「」とは、今まで学んで身につけた教えや形、技が確実に身につき、修行がさらに進

んでいけば、自然と他流の師の教えも心がけ、他流のよい技を取り入れていく。そして自

己の守ってきた形の技を破って、心と技を発展させていくのである。

 「」とは、の状態よりさらに修行していくうちに「」にとらわれず、また「

も意識せず、おのずから一つの形、流派を離れて新機軸を開いて、独自の新しいものを生

み出して、修行していくことである。

 この「守破離」の精神は単に武道ばかりでなく、人間の生き方すべてにとって大事なこ

とである。

                 [参照]日本刀精神と抜刀道、BABジャパン出版局


                                [2011/09/27追加更新]

 物事を習得する段階を三つにわけた「守破離」という言葉があります。もともとは、江

戸時代に川上不白が著した『不白筆記』で、茶道の修行段階の教えとして紹介されました。

以後、諸武芸の修行段階の説明にも使われています。

 「」とは、師匠の教えを正確かつ忠実に守り、物事の基本の作法・礼法・技法を身につ

ける「学び」の段階をいいます。「」 とは、身につけた技や形をさらに洗練させ、自己の

個性を創造する段階をいいます。

 「」とは、「守破」を前進させ、新しい独自の道を確立させる段階をいいます。

先輩(師匠)から第一段階の「」をいかに身につけるかで、「破離」へと続く、その後の自己

成長の土台の大きさが決まっていきます。

 助言を喜んで受け入れていくことで、将来「」に到達した時、自己をいっそう高めていく

ことができるのです。

 思い通りにならない時こそ、それまで培った土台が、自己を助けてくれます。

自己を発展させる道に終わりはないのです。

      [参照]職場の教養 2010年5月号、5/23(日)自己成長の土台

         今日の心がけ◆先輩の教えを忠実に学びましょう、社団法人 倫理研究所


※参考文献 :『守破離の思想』藤原稜三 著、ベースボール・マガジン社

 

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