揆奮館流棒術 『徳嶺の棍』の形             [2003/09/11更新]


 ※実技指導を最低1回は受けたことのある人の忘備録としての要点解説です。


(以下、正面または前方を南の方角として、説明する。)

 

1 棒を右手に持ち、入場して、中央に立つ。

2 正面に、一礼する。

        

3 結び立ちで構える。この時、棒を縦に回し、前方(南)を見たまま、少し前傾し、

右手で棒の下三等分を持ち、床より少し持ち上げる(または、棒は床につけず、棒先

を前、上、後、下と縦回ししながら、棒の下三等分を持って構える。)

                

4 『徳嶺の棍』と演武形名を言う。(※気合を入れて大きく発声する。)

5 棒の上を少し前傾させ、左手を棒の上三等分に添える。(目線は左腕の下から正面へ

向ける。)

6 左足を後方(北)にひいて、下段払い受けをしながら、縦に受ける。(半身後屈立ち。

顔は正面(南)を向き、棒は下先を斜め前に、上先を斜め後ろにして、顔正面に縦一文

字になる。)

        

7 その場で、腰を入れて、半身後屈立ちで前方(南)に中段縦打ち。

        

8 前方(南)に左足一歩進んで、交差立ちで中段刺し。すぐに抜く。

9 前方(南)右足一歩踏み込んで、前屈立ちで中段刺し。(この時、気合を入れる。)

        

 半身後屈立ちになりながら腰も戻してすぐに棒を抜く。

10 後方(北)に振り向いて、縦受け。(この時、前足は、想定する相手の下段打ちを避

ける為、瞬間に少し持ち上げ、すぐに下ろす。)

11 棒は長く持ちかえながら、右足一歩進んで上段側面を縦袈裟打ち。すぐに、続けて、

左足一歩進んで中段横打ち。すぐに、続けて、右足一歩進んで上段側面を縦袈裟打ち。

12 前方(南)に振り向いて、縦受け。(この時、前足は、想定する相手の下段打ちを避

ける為、瞬間に、少し持ち上げ、すぐに下ろす。)

13 腰を入れて、下段刺し。すぐに抜く。

14 右手握り部分を軸に上段回し払い受け。

15 腰を入れて、上段刺し。すぐに抜く。

16 そのまま、上段受けをして、腰を少し落として、左斜め後ろに左足、右足と二歩下

がり、交差立ちで受けた棒をはねあげるようにして上段揚げ受け。(この時、受けは、

棒の中央で受け、腰は落としたまま。)

17 腰を少し落としたまま、右斜め前に右足、左足、右足と三歩進み、体全体で棒をは

ねあげるようにして、腰は戻して、棒の中央で、上段揚げ受け。

18 左足一歩進んで、交差立ちで中段横胴打ち。

19 左方向(東)へ、小さく、左足一足長進み、八相の構えから、さらに右足一歩進ん

で中段縦打ち。

20 左膝を床について、棒を頭上に振りかぶって、二回連続中段横打ち。

21 棒の握り手を変えて、左足前(東)に一歩進んで、縦受け。

22 矢車回し(その場で連続して、中段縦打ち、砂かけ、中段縦打ち)。

23 少し飛び込んで、前屈立ち中段突き。すぐに抜く。

24 棒の握り手を変えて、反対方向(西)に少し踏み込んで、縦受け。

25 矢車回し(その場で連続して、中段縦打ち、砂かけ、中段縦打ち)。

26 少し飛び込んで、前屈立ち中段突き。(この時、気合入れる。)すぐに抜く。

27 左前方30度の方向(南東)に、顔面を向け、八相(不動)の構えから、右足一歩進んで、

半身前屈立ち上段縦打ち。棒をすぐ中段に引き抜く。

28 斜め後方(北西)に顔面を向け、直後に、その場で体を変えて、腰を入れて、前屈立ち

で棒を長くして水平に、中段突き。

29 すぐに、斜め前方(南東)に顔面を向け、直後に、その場で体を変えて、腰を入れて、

前屈立ちで棒を長くして水平に、中段突き。

30 左斜め前(南東)に左足一歩進んで、棒を三等分に持って、半身後屈立ち縦受け

(または、下段右から左への払い受け)。

31 右斜め前(南西)に、右足大きく一歩進んで、棒を三等分に持って、半身後屈立ち

縦受け(または、下段左から右への払い受け)。

32 腰を少し落として、前方(南)に左足一歩進んで、牽制しながら、半身後屈立ちで、

上から中段押さえ受けの構え。

33 腰を少し落としたまま、右足一歩進んで、牽制しながら、半身後屈立ちで、上から

中段押さえ受けの構え。

34 腰を少し落としたまま、右手握り部分を軸に中段回し払い受けをして、右足一歩

後方(北)に下がり、交差立ちで抜く。(棒を抜く時は、瞬間に少し棒を前に出してか

ら抜く。)

35 腰を少し落としたまま、右手握り部分を軸に中段回し払い受けをして、左足一歩

後方(北)に下がりながら半身後屈立ちで抜く。(棒を抜く時は、瞬間に少し棒を前に

出してから抜く。)

36 腰を少し落としたまま、左足前方(南)に一歩進んで、交差立ちで中段刺し。

37 右足前方(南)に一歩踏み込んで、半身前屈立ちで上段突き。(この時、気合を

入れる。)

38 後方(北)に振り向いて、半身後屈立ちで中段縦受け。(この時、想定する相手の

下段打ちを避ける為、瞬間に少し前足を持ち上げ、すぐに下ろす。)

39 後方(北)に右足一歩進んで、半身前屈立ちで上段側面打ち。

40 後方(北)に左足一歩進んで、腰から先に回し、前方(南)を向き、交差立ちから

半身後屈立ちになって、中段の回転水平横打ち。

41 左膝を床について、棒を頭上に振りかぶって、二回連続中段胴横打ち。

(この時、跳躍はしないで、迅速に安定した構えから振り打ちをする。)

42 右前足はそのままに固定して、迅速に立ち上がり、半身後屈立ちで下段引っ掛け払い

縦受け。

43 矢車回し(その場で連続して、中段縦打ち、砂かけ、中段縦打ち)。

 ※44.から、46.までの、より詳細な解説へ

44 腰を少し落としたまま、左手を棒の中央を持ってきて、前の棒先を上から下へ縦回しを

しながら、右足、左足、右足と三歩後方(北)に半身後屈立ちになりながら下がる。

(握り手も、左、右、左と持ちかえる。縦回しは、肩から先の腕全体を振るように、

棒の位置を下げて床に当てないように注意して、想定する相手への威嚇牽制を心がけて、

できるだけ大きく速く回す。握り手と反対の手は持ち替えた後、下に下ろさない。)

45 続けて、腰は落としたまま、棒先を上から下へ縦回しをしながら、右足、左足と二歩

前方(南)に進み、右足三歩目に、斜め下前方(南)に棒先を右から左へ中段横回しを

しながら、大きく前方(南)に強く踏み込んで、威嚇牽制する。

46 続けて、腰は落としたまま、頭上で水平上段回しをしながら、右足、左足と後方(北)

に二歩下がり、二歩目に(または、すぐさま三歩目を強く踏み込んで)半身前屈立ちで前方

に上段縦面打ち。(この時、気合を入れる。)すぐに、半身後屈立ちで中段に棒をひく。

(※改正形は、威嚇の気合を入れて、棒を右から横回しをしながら、強く前に右足一歩踏み

込んだ後、螺旋状に上段に横回し(※回しすぎると、下段にすきができるので、回しすぎな

いよう注意する。)をしながら右足一歩下がり、すぐさま右足一歩強く踏み込んで、気合を

入れて半身前屈立ちで上段縦面打ちをする。すぐに、半身後屈立ちに腰を戻しながら、棒

を中段に引いて構える。改正形は、威嚇牽制後の攻撃を間を置かずにより効果的な速攻で

行うように改めている。)

47 すぐに、その場で左から縦受け。

48 前方(南)に結び立ちに直り、左添え手と棒を戻す。(この時、始めの位置と同じ所

に戻っていることが望ましいが、前方への踏み込みを強く入れる演武をした場合は、始

めの位置より一歩前で終わるので、そのまま、後方(北)に一歩下がって、始めの位置に

戻る。(※改正形の場合は、二歩前で終わる。)

49 正面に一礼し、回れ右して、退場する。


(※演武中、目線は想定する相手の目に向ける。必要に応じ、瞬間に攻防部位等の確認

をする。)

(※基本的に、受け技は、棒を三等分に持って、半身後屈立ちで受け、攻撃技は、棒を

できるだけ長く持って、前のめりの半身前屈立ちまたは前屈立ちで攻撃する。攻防の切

り替えの時の棒の持ち替えは、棒を長く持ったり三等分に持ったりと円滑迅速に持ち替

える。)


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