このホームページの棒術に関連するQ&A (掲示板より抜粋、一部修正) A .(管理人) [2021/04/04更新]
Q1 .ホームページで紹介している内容について私なりに解釈したことを質問してもよろしいでしょうか?
A1 .ホームページの内容はまだ工事中という感じで作成しているのですが、今後、修正や更新を重ねて行くことで、より充実していくことと思っています。
一応公開をしていることですので、ご質問については、お答えできる範囲で掲示板上またはE-mailで直接お答えしたいと思っています。
Q2 .「徳嶺の棍」の本形のページの質問です。
番号44の”縦回しをしながら”と言う部分なのですが、この縦回しとは右足を引いたとき、棒を右体側で左手一本で回すのでしょうか?
上から下への縦回しと言うことなのですが、矢車回しの最後の中断縦打ちから、一度棒先を上に上げて左体側で棒先が大きく円を書くように反時計回りに回せばよいのでしょうか?
円を書き終わったら一度棒先を自分の正面に持ってきて、右手に持ち替えるのでしょうか?
それと、私が教えてもらった徳嶺の棍は番号42で終ってしまったのですが、番号43以降がぬけているのでしょうか?
それとも貴会独自の型なのでしょうか?
A2 .ホームページの揆奮館流棒術の説明は、実技指導を講習会等で一回でも受けたことのある方の忘備録として作成したものを元にしたものですので、読んだだけではよく解らない部分がたくさんあると思います。
動画でも入れればわかりやすいと思うのですが、補足説明の為の画像は今後少しずつ追加挿入していこうと思っています。
ご質問を受けて、形(型)の説明を文章だけでするのは難しいと感じています。
ご理解いただけるかどうかわかりませんが補足解説をつけましたので、お読みください。
なお、この部分が当会独自の形(型)なのかというご質問ですが、徳嶺の棍のこの部分に棒の回転を行うのは、たとえば少林寺流錬心舘系の団体などではそれぞれ多少の違いはありますがどこでもやっていることですので、回し方や解釈の違いはありますが、当会独自のものではありません。
武器を振り回して、相手を威嚇牽制することに使うのは、珍しいものではなく、中国武術、日本古武道、琉球古武道などいろいろな武術に見られる基本的な技法なので、当会でも基本の1番目に縦より難しい水平回しから稽古しています。
攻撃しようとしてくる相手に対し、まず威嚇牽制をして、相手が退散してくれたら、無用な争いも避けられると言うものです。
他の団体の徳嶺の棍の演武をいくつか拝見したことがあるのですが、後の部分に棒の振り回しがなくて終わるのは、沖縄の少林寺流か少林流の系統かと思います。
私見ですが、いろいろな人にこの型を伝授した喜屋武朝徳先生も徳嶺親方から直接継承したわけでもなく、武術の師も複数いるようですので、多分に改良がその都度加えられているものと思います。
ですからこの型に絶対的に定まったものはなくいろいろな徳嶺の棍があると考えるほうが自然だと思います。
なお、形44番目から46番目の解説には鮮明ではありませんが、 連続写真も加えてみました。
参考になるかわかりませんが、ご覧ください。
Q3 .「徳嶺の棍」44から練習してみました。
中段縦打ちの後、左手で棒を一回転させて、自分の右側で棒をもっている左手が逆手になっていて、その左手の後ろ(北)を右手で下側から持ち替える。
その後、右手がSの字を描くようにして棒を縦回転させながら自分の左側に持っていく。
こんな感じで良いのでしょうか?
それと、一人稽古の(一本目)のところなのですが、まず、左手が前で構え、棒を頭上で旋回させ、その後、右手を一度棒から離して、左手は棒の後ろに移動して右手で棒の中心をもって打ち込むのですか?
A3 .ご質問をお読みして、こちらで解説しているものと、ほぼ同じ動作がイメージできますので、かん違いしていなければ、まず間違いないと思います。
ホームページの文章の説明は今は要点解説ですが、少しずつ手を加えてもっとわかりやすい詳細解説にしていかなければと思いました。
棒捌きは、いろいろと試行錯誤して稽古していると、知らず知らずのうちに上達していきます。
棒の回し方にしても、紹介しているもののほかにもいろいろな方法がありますので、これから少しずつバリエーションを広げていけばよいと思います。
武術に限らず、たとえばバトントワリングの操法とか中国劇の孫悟空の演技とかいろいろなものが参考になります。
Q4 .形の44番目からの回しかたは、慣れない動きのため、特にうまくできませんが、どのようにしたらよいですか?
A4 .この形の場合は、棒を回すときは、縦も横も中心付近を持って回します。
質問をされている部分は、中段ないし下段に棒先を引っ掛ける様に回して、そのまま、らせんを描いて上段回しにもっていき、そのまま面への打ち込みにつなげていきますので、螺旋回し上段打ちといったところです。
打ち込みの時の棒は、木刀を持って面へ打ち込むような感じです。
この形44番目から46番目までは、武蔵の五輪書にあるような拍子(テンポ、リズム)がポイントになります。
前後に動き、縦横下上に回して、相手の拍子を崩し、かつ自分の拍子は緩急を入れても乱れず、最後に極めるというものです。
稽古の方法としては、いろいろありますが、最初から形と同じ動作をやるより、段階を追って分けて稽古されたほうがよいと思います。
右半身、左半身となりながら前進後退をして棒を乱れずに縦横に回すのは難しいので、最初はその場で正面を向いて棒を回す練習をします。
次に、正面を向いたまま、前進後退をして棒を回します。それから、左右の半身を交互にして、前進後退をしながら回します。
回す速さも、最初はゆっくりときれいに回すようにして、棒回しが乱れないように徐々に速くしていくというような稽古方法です。
Q5 .形の27番 目の上段縦打ちをしてすぐ中段に引き抜くところなのですが、上段縦打ちは相手の顔のあたりで棒先を止めるのでしょうか?
その後、中段に引き抜くときは、左手は左腰に、棒は床と平行に中段の位置に構えればよいのでしょうか?
A5 .上段面打ちを極めたところで、ご質問のとおり、棒先は瞬間止めます。
その後、半身後屈立ちに腰を戻しながら、ご質問のとおり、棒を水平に構えます。
この部分は、形46番目のより詳細な解説の11番目と同じ意味の動作ですが、突きの後ではないので、引き抜くというより、引き戻すといったほうが適切かもしれません。
引き抜きは動作の一つのイメージと思ってください。
ここで形が終われば残心の動作ですが、そのまま続けて、その場で体を変えての中段水平連続突きをしますので、これはその準備動作にもなります。(上段から直接中段水平突きはできませんので。)
なお、この部分が45度方向でなく南寄りの30度の方向に動くのは、当会が、本来の徳嶺の棍の形の開始と終了の位置は同じであると考えているためで、このため南北の演武線を南寄りに修正するものです。
私見ですが、形(型)の動作は伝承する人の解釈の違いで必然的に説明も異なり、それが同じ形(型)の動作にいろいろな変化をもたらしていると思っています。
Q6 .基本的なことですが、棒を振り下ろしたときに、棒先がビシッと決まらないで、ぶれてしまうのはなぜなのでしょうか?
何度も棒を振る稽古をすれば、極まるようになるのでしょうか?
振り下ろすときは、左手は腰に、右手は若干内側に絞るように振り下ろしているのですが。
A6 .何度も棒を振る稽古は確実に筋力トレーニングになりますし、 極まるようになるまで棒をコントロールできる筋力を持つことは必要であると思います。
振り下ろしは、ご質問のとおりの方法もよい方法だと思いますが、例えば、右手の棒の握り方も棒の重さに対する当人の握力の強さに応じて棒を旗持ちのように手の平で支えるようにして振り止めたり、手の甲を上にして押さえ込むように振り止めたりと、臨機応変に対処してもよいかと思います。
数多く稽古をされて、いろいろとコツを自分で発見されるのもよいことだと思いますが、ここでは、稽古法の一例を紹介いたします。
棒は上段や中段に打ち込みまたは突きをするとき、意識して瞬間に止めるコントロールができないと、二人でやる組棒などは、大変危険なものになりますので、これは、ぜひ、マスターしていただきたいと思います。
また、この止めのコントロールの稽古は受けや棒捌きの稽古にも繋がっています。
棒を要領よく、びしっとぶれずに止めるには、その瞬間、筋力で要所になる部分を特に固定する必要があります。
例えば、右足を踏み込み、右手を前に握って打ち込む場合、棒を止めた瞬間、右腕は伸ばして棒を固定し、左手はその反動で上に上がろうとする棒を上がらないように瞬間固定します。
左腕は曲げていてもいいですが、棒を体から離れないように固定します。
このような打ち込みをすると、踏み込みと同時にその力が瞬間固まった体を通って棒先へと伝わる感じがつかめると思います。
中国武術で使うような棒でこれをやると棒先がかなりしなります。
このような打ち込み方法で、棒巻きわらのような標的を用いて正確にコントロールして打ち込む稽古をします。
なお、棒は、打ち込みや止めの瞬間などは強く握るわけですが、継続して強く握るとすぐ疲れてしまいますので、普通は下に落とさない範囲で無駄な筋力を抜いてかつ棒を自在に扱う稽古が必要となります。
Q7.型の練習をするときに、左右をそれぞれすると思います。
逆の場合の構えはどうするのでしょうか?
例えば、棒術の基本20本の1本目で、最初棒を右から左に回して面を打つときは普通の面(剣道と同じ構え)になると思います。
次に棒を左から右に回して面を打つときは構えが逆になるのですか?
つまり、左足が前に出て棒の相手側を左手で持ち、手前側を右手で持つのですか?
A7.揆奮館流棒術は、基本に関しては右利き左利きにかかわらず左右同様に棒が使いこなせることを修練目標の一つにしています。
これは右利き左利きによる自分の弱点を減らし、かつ相手の弱点を攻撃しやすくすること等により攻防能力を高めるためです。
基本の1本目については、ご質問のとおりです。
右利きの人であれば慣れるまでは左から右に回して左足前で打ち込む動作は難しく感じると思います。
稽古の体系化のため一応基本のスタイルを掲示しておりますが、揆奮館ではこの基本ができるようになれば、これに固執することなくいろいろなスタイルにチャレンジしてバリエーションを拡げるよう創意工夫、臨機応変を稽古で心がけるようにしています。
ワンパターンの攻撃法だけを身に付けてしまうと最初の一撃に失敗したときにあとが続かない場合が多いと思いますので、このような基本の稽古も前進後退だけでなく、その場で体を変えたり、左右に回り込んだりといろいろなパターンを稽古するようにしています。
自分の不得手の構えからは棒に力も入らずスピードもでないのですが、おそらく基本の8本目や16本目などの逆動作も慣れないうちはやりにくいのではないかと思います。
なお形(型)については、揆奮館では基本と違い形(型)は長くて複雑なので、左右が逆の稽古は非常に難しく混乱を招きやすいと思いますので実施しておりません。