揆奮館流棒術「約束組棒10本」(初伝の形)            [2021/04/04更新]


※実技指導を最低1回は受けたことのある人の忘備録としての要点解説です。

 ※※一部、本體楊心流二天一流などの日本古武道の棒術技法を参考にしています。

(以下、正面を南方として、説明する。)

1 演武の場合、当初から棒を構えたときの二人の間合をとって並び、正面に一礼して、

北方より同時に入場する。

2 正面に一礼する。

3 互いに向き合い、棒を右に垂直に立てて、一礼する。

4 互いに左足を一歩前に進んで同時に構える。

 

※先に動く方を「先手」、後から動く方を「後手」として説明する。

先手、後手は、攻防の主従ではなく、攻撃の順番の仕方(先)、打方(後)である。

この約束組棒で、二人ともそれぞれの場合の攻防の稽古をするため、

先手と後手は交互に交替してどちらの場合も稽古する。

 

[1本目] ※巻き込みはね上げ突き(以下※印は、ポイントになる技法)

先手(西)は、右足左足と進みながら、中段刺しを2回する。

後手(東)は、1本目の刺しは下がってかわし、左に体捌きして、2本目の刺しを、

巻き込むようにして、回し払い受けで、はね上げして、すぐさま、踏み込んで、

中段打ち突きをする。

 ※※以下、全部、極めは、寸止めで、同時に気合を入れる。

※参考例1(連写画像)

 

[2本目] ※引っ掛け押し倒し突き

先手(西)は、間合いを詰めていき、中段突きをする。

後手(東)は、腰を入れて、後ろの棒先で、右下から左上に回し払いはね上げ受け

をしながら、前屈立ちで踏み込み、棒先で相手の左足を引っ掛けて棒で押し倒す動作

をする(または、押し倒す動作をしながら、半身前屈立ちで中段打ち突きをする。)。

※参考例2(連写画像)

 

[3本目] ※上段刺し

先手(西)  は、右足左足と進みながら、中段刺し、上段突きをする。

後手(東)は、中段刺しをかわし、腰を入れて、上段突きを、後ろの棒先で右下から左上

に回し払いはね上げ受けして、踏み込んで、左手で上段(目または咽喉)刺しをする。

※参考例3(連写画像)

 

[4本目] ※首投げ

先手(東)は、相手に近づき、棒先で相手の棒先を左から右へ2回打ち当て(または、押し

当て)牽制する。

後手(西)は、相手の2回目の打ち当て(または、押し当て)の瞬間に、棒をわずかに下に

落としてかわし、相手の左小手を打ち、右から相手の後ろに回り、棒先で相手の首後ろを

上から下に押さえ込む(または、打ち込む)ようにして、相手を投げる(または、投げる

動作をする。)。投げた場合、

先手(東)は棒を離し、前転受身をする。すぐに棒を拾い、構える。

※参考例4(連写画像)

 

[5本目] ※さし込み固め

先手(西)は、右左二歩進んで、大上段から、上段打ちをする。

後手(東)は、上段受けをして、左棒先を相手の握り棒間に上からさし込み右から相手の

左側に回りこみ、左棒先は上に上げてひき、右棒先は下に下ろして押す動作をして、相手

の棒捌きを封じ固める。

※参考例5(連写画像)

 

[6本目] ※下段受払い突き 

先手(西)は、不動の構えから、右足一歩踏み込み、棒を長くして下段打ちを3回する。

後手(東)は、相手の3回の下段打ちを3回の下段受けで受け、すぐさま相手の棒を

下段払いして、中段突きをする。

先手(西)は、相手の中段突きを右から払い受けする。

※参考例6(連写画像)

 

[7本目] ※回転払い受け中段刺し

先手(東)は、進みながら2本続けて上段縦回し打ちをする。

後手(西)は、1本目を下がりながら上段受けし、2本目を前の棒先で上段受けして、

上から下に相手の棒を押さえ込み滑らせながら、下に落として、中段突きをする。

先手(東)は、後ろに一歩下がり、腰を入れて、相手の中段突きの棒先を右下から

左上に払い上げ、左に一回転して、一歩進んで、中段刺し(または突き)をする。

後手(西)は、中段刺しを受ける。

※参考例7(連写画像)

 

[8本目] ※上げ打ち落とし、上段受け巻き込み落とし突き

先手(西)は、進みながら、中段刺し、上げ打ち、上段打ちをする。

後手(東)は、さがりながら、中段刺しはかわし、上げ打ちを中段受けで落とし、

上段打ちを上段受けをして上から下に相手の棒を巻き込み、押さえ滑らせて落とし、

中段突きをする。

先手(西)は、中段突きを体を左に体捌きしながら、上から巻き込み回し払いはね上げ

受けして、中段打ち突きをする。

※参考例8(連写画像)

 

[9本目] ※下段打ち払い上段打ち込み

先手(西)は、体を変えて構え、左足一歩進んで、上段縦回し打ち。右足一歩進んで、

上段縦回し打ち。左足進んで交差立ちで、下段打ち。左足戻して下段打ちする。

後手(東)は、上段受け。一歩下がって上段受け。一歩下がって下段受け。一歩下がり

下段受け、すぐさま、下段打ち払い。右足一歩踏み込んで、上段打ち込みをする。

先手(西)は、上段受けする。

※参考例9(連写画像)

 

[10本目] ※旋回上段打ち受け流し打ち

先手(東)は、棒を中段に前に伸ばして構えた相手の棒先をたたき落とす。

後手(西)は、相手が叩くようにわざと伸ばした棒先を、相手がたたき落としたら、棒を

そのまま縦にまわして、左足一歩踏み込み、左手から上段打ち込み、さらに右足一歩進んで、

右手から上段打ち込み、さらに右足踏み込んで、半身前屈立ちで上段突きをする。

先手(東)は、下がりながら、棒先を左から払って、上段受け。さらに下がりながら、

棒先を右から払って、上段受け。さらに上段突きを下がってかわしながら棒を斜め後にひき、

すぐさま、左足 一歩踏み込んで、下段打ちをする。

後手(西)は、下段打ちを下がってかわしながら、棒を頭上で水平に旋回させて、相手を

牽制し、右足一歩踏み込んで、上段打ちをする。

先手(東)は、上段打ちを、左棒先で受け流して、右に体捌きして、側面上段打ちをする。

※参考例10(連写画像)

 

1 元の位置に戻り、お互いに棒を右に立て、一礼をする。

2 正面に、向きを変えて、一礼する。

3 回れ右をして、後ろに向きを変え、退場する。


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